八木澤さんの課題/那須の旅行客を増やしたい!

第4回とちぎアントレ最終選考プレゼンテーション(2017年1月28日)、八木澤玲玖さん(当時:黒磯高校2年)

第4回 とちぎアントレプレナー・コンテスト結果発表

 次代を担う若者に起業プランを公募し、最優秀賞として開業資金100万円を贈る「第4回とちぎアントレプレナー・コンテスト」が実施され最優秀賞が決まりました。今回応募があった事業プランは前回の2倍近い1,119件で、4回目にして初めて1,000件の大台を超えました。このうち最終選考に進んだ9組によるプレゼンテーション審査を2017年1月28日、宇都宮市陽西町の護国会館で開催。その結果、最優秀賞は八木澤玲玖さん(黒磯高校2年)の「株式会社 那須旅」が受賞しました。表彰式が2月25日、同市江野町の下野新聞NEWS CAFEで開催され、青木圭太実行委員長(青木製作所代表取締役)から八木澤さんに開業資金100万円が贈られました。

※第4回受賞者の在籍校と学年は2017年2月25日現在です。

第4回コンテスト結果
エントリー 1,119点(27高校、3大学)
★最優秀賞---------  黒磯高校
★優秀賞------------ 宇都宮高校、宇都宮白楊高校、宇都宮大学大学院

★審査員特別賞----   宇都宮白楊高校栃木農業高校
★奨励賞------------ 日本大学、茂木高校、宇都宮白楊高校
◆コンセプト賞 11グループ(3千円分のクオカード進呈) 
◆アイデア賞 25グループ(5千円分のクオカード進呈)

■下野新聞2017年4月7日(金)付 入賞者発表

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最優秀賞〈1点〉

●賞状 ●副賞(記念楯、賞金10万円)
●新会社開業資金100万円+育成プラン(平成29年度)

 

最優秀賞

那須を第二の故郷に。地域密着型の旅行代理店を目指す

株式会社 那須旅

代表: 八木澤 玲玖(黒磯高校2年)

 「那須を思いっきり満喫することで、那須があなたの第二の故郷になる」をテーマに地元行政と連携した地域密着型の新たな旅行代理店を目指します。インバウンドを掲げ国内旅行者だけでなく、外国人旅行者もターゲットにしていきます。
 事業の柱は3つ。1つは宣伝活動。既存の媒体のほかにSNSを駆使して話題性を高め、動画を発信することで那須に興味を持ってもらいます。2つ目は受け入れ側のサポート。外国人への対応マニュアルを作成して宿泊・観光施設に提供。また、SNSなどを使えない高齢の経営者をお手伝いします。3つ目が那須人とのふれあいです。
 2019年ラグビーワールドカップ、20年東京オリンピック・パラリンピック、22年にはとちぎ国体が開催されます。これは大きなチャンス。那須地域を世界1サービスのいい地域として日本、世界へ発信していきたい。私の夢は那須地域を復興し、盛り上げることです。

[同時受賞]

 FAAVO宇都宮賞(提供/株式会社 モンキークルージャパン)

  ●賞状 ●副賞(クラウドファンディングで起案し、全国に自分の事業をPRできるプレスリリース券(3万円相当))


優秀賞〈3点〉

●賞状 ●副賞(記念楯、賞金3万円)


優秀賞

生体データを収集分析し、体の改善行動を提示

株式会社 ファイン

代表: 澤田 祐樹(宇都宮大学大学院2年)

 サービスのコンセプトは「ユーザーの健康状態を常に100%の状態にして、心身ともにゆとりを提供する」です。ヘルスケアデバイスを利用して心拍数、血圧などユーザーの生体データを収集・解析し、具体的な体の改善行動を提示します。
 私の会社が、そのプラットホーム(ウェブあるいはアプリ)の開発、運用をしていきます。社会全体では医療費削減、個人レベルでは病気発生率の低下と質の高い生活を提供できると考えています。

 

 

 

[同時受賞]

 栃木イノベーション賞(提供/株式会社 下野新聞社) ●賞状 ●副賞(図書券5千円分)

優秀賞

洗濯物の天日干し代行サービス

株式会社 洗濯屋

代表: 野口 実優(宇都宮白楊高校3年)

 共稼ぎで洗濯ができない、足腰が悪く洗濯が大変など天日干しをしたくても、できない方をサポート。洗濯物を専用のランドリーバックに入れて店舗に届けてもらい、洗濯を委託する従業員に配送。「洗濯」「日干し」「畳み」までして店舗に戻され、お客さまが店舗で受け取る。
 洗濯は障害があって外で働くのが難しく、自宅で副業したいという人に委託する。障害者雇用率が全国平均を下回る栃木県の労働環境の改善にも貢献していきたいと思います。

 

 

 

[同時受賞]

 オーディエンス賞(提供/株式会社 足利銀行) ●賞状 ●副賞(現金3万円)

最終選考会での観覧者投票で決まる「オーディエンス賞」!

 一般公開の最終選考会では観覧者にも審査していただき、発表が良かったと思う新会社に投票。投票者にはクオカード(5千円分×4名)が当たる抽選会も実施しました。

優秀賞

外国人旅行客一人ひとりに合うプランで旅をサポート

株式会社 ツーリズム

代表: 伊藤 翼(宇都宮高校1年)

 日本を訪れる外国人観光客は増えていますが、栃木県での宿泊者数は少ない。この問題を解決するのが株式会社ツーリズム。外国人旅行客向けのウェブサイトを作り、SNS、メール、電話を通じて外国人一人ひとりに合うプランを提供し、旅行中もサポートします。旅行後はアンケートをとり、その結果を自治体と共有。ニーズを解析し適切な情報収集のもと、次のプランへと活かしていく。
 私の会社ツーリズムは栃木の隅々まで観光客を呼び込み、栃木、日本の良さを発信することができます。

 

 [同時受賞]

 ジョイトーク賞(提供/株式会社 ジョイトーク)

  ●賞状 ●副賞(東京ディズニーランドのペアチケット、英会話レッスン無料券(4万5千円相当))


審査員特別賞〈2点〉

●賞状 ●副賞(賞金1万円)


審査員特別賞

服の試着をアプリケーション化

株式会社 style

代表: 大貫 知都(宇都宮白楊高校3年)

 服の試着を面倒に思ったことはありませんか?
 私の会社は、試着そのものをアプリケーション化し、実際に着脱をしなくてもスマートフォンなどの画面上で試着ができようにします。自分と同じ体型のアバターモデルを作成し、提携ブランド店から気になる服を選択してアバターモデルに試着。お気に入りの服が見つかったら購入。アプリには人工知能も搭載し、試着履歴のデータから好みを学習することで、おすすめのコーディネイトを考えてくれるようにします。

 

 

 

審査員特別賞

特産の「桜」「ヨシ」を活用して蔵の街を再生

株式会社 new phase

代表: 吉田 美咲(栃木農業高校2年)

グル−プメンバ−: 中村 友美(同)、永田 実奈美(同)

 栃木市は蔵の街として有名ですが、過疎化と高齢化で空き蔵が増えています。この空き蔵を有効利用して蔵の街を活性化することが、この会社の目的です。
 栃木農業高校では桜の葉や枝を利用した「桜染め」や、ヨシを細かく切って紙すきをし、「ヨシ紙」を作る試みをしています。この桜染めとヨシ紙づくりを観光客に教えるコミュニティの場を空き蔵に作ります。また桜染めの絹のハンカチとヨシ紙が入ったフォトスタンドの「桜セット」を販売します。

 

[同時受賞]栃木信用金庫賞(提供栃木信用金庫) ●賞状 ●副賞(現金3万円)


奨励賞〈3点〉

●賞状 ●副賞(クオカード5千円分)


奨励賞

自分の好きな音楽が流れる安眠枕

株式会社 Reox

代表: 大石 春花(宇都宮白楊高校3年)

 よく眠れない方が安眠できる枕を製造販売し、人々の健康を守ることを目的とする会社です。
 Bluetoothで枕と携帯端末をつなぎ、枕から自分の好きな音楽が流れます。センサーが寝返りを感知しなくなると音量が徐々に下がっていきます。起床時間を設定すると音楽が流れ目覚ましにもなります。携帯端末を使わない人にはリラックス効果のある音楽をあらかじめ搭載。好きな音楽に癒されながら眠りにつき、楽しい気分で目覚めることができます。

奨励賞

生活を豊かにする家具工房の魅力を伝える

株式会社 ドフフ

代表: 早勢 将弥(日本大学1年)

グル−プメンバ−: 鈴木 崇希(同)

 生活を豊かにする手作り家具。家具メーカ―大手の廉価な家具に押されて経営環境が厳しい家具工房を身近に感じて、多くの方に利用してもらうことが会社の目的。ネットだけでなく街のカフェで展示紹介することで家具工房を意識する環境を作っていきます。
 協力店のカフェや購入した家具、工房名を投稿できるウェブサイトを設け、ショールームがなくても買い手がイメージしやすく、購入者が広告塔になるようなサービスを考えていきたい。

奨励賞

空き家を活用して自習専用の空間を提供

自習塾・sinka 株式会社

代表: 黒須 綾華(茂木高校1年)

 私の会社のサービスの最大の魅力は、友だちと教え合いをしながら学習できるグループ学習室。1つの部屋をパーテーションで区切っていくつかの空間を作ります。
 友だちと一緒に勉強すると新しい発見もあって理解度が上がります。シニア層や主婦向けの企画も用意します。例えばシニア向けのラインやメールの講座。離れて暮らすお孫さんとすぐに連絡できる環境を作っていただきます。自習塾に空き家を活用することで治安の向上にもつながります。


■第4回とちぎアントレ審査総評

 受賞の皆さんはそれぞれ自分たちの起業プランをうまくプレゼンされ感心しまた。特に最優秀賞の那須旅は、外国人観光客が地元の受け入れ体制をどうみているのか、地域の課題がよく分かるオリジナル動画を披露しました。素晴らしいプレゼンでした。東京オリンピック・パラリンピックを控え、国・地方あげて観光振興に力を入れている中、タイムリーなプランになりました。
 各賞を受賞された学生の皆さんにはアントレの経験をぜひ将来に活かしていただきたいと思います。

審査委員長・石崎 公宣 氏

下野新聞社 地域貢献推進室


■実行委員長あいさつ

 将来に夢と希望を持った子どもたちを育てたいという思いで始めたコンテストも、今年で4年目となります。皆様のご支援があったからこそと、心から御礼申し上げます。
 コンテスト応募件数は毎年増え続けています。第1回は112件でしたが、今年は1,119件と10倍に増えています。この中から最終審査の9組に選ばれたことは奇跡的なことです。みなさんは、一緒に成長していく仲間です。アントレの経験をこれからの糧にしていただきたいと思います。

 実行委員長・青木 圭太 氏

青木製作所 代表取締役


第3回 とちぎアントレプレナー・コンテスト


第2回 とちぎアントレプレナー・コンテスト


第1回 とちぎアントレプレナー・コンテスト