第13回とちぎアントレ体験レポート

 最優秀賞受賞の株式会社 Challink 代表 久野 美恋彩さん(星の杜高校 2年)が「挑戦することの大切さ」を語ってくれました。他の参加者に「エントリー動機」などを聞き取るとともに、最年少・小学5年生の吉田さんへのインタビューもあります。(2026.2.27) 


    今回のとちぎアントレプレナー・コンテスト(以下、とちぎアントレ)は、小学生から大学生までという非常に幅広い年代の学生が参加していました。最終選考会本番、社長の皆さんの前で堂々と発表する参加者の姿はとても輝いており、目をキラキラさせながら自分の想いを伝える姿が強く印象に残っています。

 私たち最終選考に進んだ参加者は、ここに辿り着くまでにいくつもの選考を通過してきました。その道のりの中で、それぞれが見えないところで葛藤し、努力を重ねてきたのだと思います。その一人として、今回この体験談を書かせていただきます。

 私がこの大会に応募したきっかけは、友達の存在でした。仲の良い友達が、体育・福祉系の大学に総合型選抜で出願したいと考えていましたが、地元には関連するボランティアや活動の募集がほとんどなく、「アピールできる実績がない」と悩んでいました。その話をする友達の曇った表情を見たとき、強く心が動かされました。こんなにもやりたいことや夢を持っている子の将来が、限られた地元のコミュニティという理由だけで狭められてしまうのは嫌だ。この子が笑顔で未来に向かえる社会にしたい。そう思い、このビジネスプランを考えました。

 ありがたいことに最優秀賞を獲得することができ、実際に会社として動き出すことも決まり、そして今、こうして体験談を書かせていただいています。

 私がとちぎアントレを通して学んだことは、「挑戦することの大切さ」です。もしこの大会に挑戦していなければ、メンターの皆さんや学生の皆さんとも出会うことはなく、起業という選択肢すらない人生を歩んでいたと思います。この挑戦があったからこそ、これまでにない多くの経験を得ることができました。

 今振り返ると、応募しようか迷っていたあの時の自分に「ありがとう」と伝えたいです。そして、賞をくださった皆さん、このような貴重な体験を書かせていただく機会をくださった皆さんに、心から感謝しています。

 最後に、とちぎアントレで出会った素敵な学生の中から、取材に協力してくださった方々を紹介したいと思います。

◉レポート執筆:株式会社 Challink 代表 久野 美恋彩(星の杜高校2年)

【最優秀賞】

栃木県信用保証協会賞(提供:栃木県信用保証協会)

山上建設賞(提供:(株)山上建設)

アシカブ賞(提供:ASHIBA(株)

 

◆株式会社IMOKO 中村真緒さん

 

    優秀賞を受賞された、IMOKOとして活動されている中村さんです。

 トップバッターという緊張感のある立場でありながら、さつまいもの被り物を身に着けて堂々と登壇し、会場に入った瞬間から強いインパクトを与えていました。その発表からは、「芋が好き」という気持ちが全面に溢れ出ており、好きという想いは人の限界や常識さえも簡単に突き破るのだと、改めて感じさせられました。

 中村さんは高校生の頃、陸上選手として日々練習に励み、体調管理や食事に特に気を遣う生活を送っていました。そんな中で出会ったのが、「甘さ」と「健康」を兼ね備えたさつまいもの存在でした。ただ美味しいだけでなく、競技を支える食としての可能性に気づいたことが、現在の活動の原点になっているそうです。

 さつまいもの魅力をより多くの人に伝えたいという想いから、国内にとどまらず、アメリカへ足を運ぶなど行動の幅を広げ、すでに数多くの挑戦を重ねてきました。その一つ一つの行動からは、「好きだからこそ動ける」という強さが感じられ、彼女の行動力とさつまいもへの深い愛情に、会場全体が圧倒されていました。

 受賞後には、「ありがたいです。これからも I(芋を)M(もっと)O(多くの人に) をモットーに、IMOVATIONを起こすため活動していきたい」と語り、今後への力強い決意を示してくれました。

 このプレゼンテーションを通して、さつまいもという身近な存在が、健康や挑戦、さらには人の生き方とまで結びついていることに気づかされました。話を聞き終えた頃には、さつまいもについてもっと知りたくなり、自然と食べたくなってしまう。そんな余韻を残す、印象深い発表でした。これからのさらなる彼女のご活躍に期待しております。

◉株式会社 IMOKO 代表  中村 真緒(宇都宮大学 3年)

【優秀賞】

栃木県信用保証協会賞(提供:栃木県信用保証協会)

 

◆株式会社たのたびLife 鈴木沙和香さん

 

    同じく優秀賞を受賞された、株式会社たのたびLifeの鈴木さんです。

 彼女のビジネスプランの原点は、まさに自分自身の経験にありました。現在、住んでいる宇都宮市から大学まで、毎日往復約4時間をかけて長距離通学をしているそうです。その長い移動時間の中で感じてきた不便さや負担、そして「この時間をもっと有効に、前向きなものにできないか」という問いが、今回のプランにつながっていました。

 彼女は、自分自身だけでなく、周囲にいる長距離通学をしている人たちの存在にも目を向け、通学時間そのものの価値を見直そうと考えました。限られた時間をただ消費するのではなく、意味のある時間へと変えたい。その強い想いが、ビジネス全体に一貫して込められていました。中でも特に印象的だったのが、彼女の掲げるビジネス理念である「毎日の旅をもっと楽しく」という言葉です。通学を「移動」ではなく「旅」と捉えるその発想に、私は強く惹かれました。

 私自身も、地元の日光市から毎日往復4時間をかけて通学しています。朝が早く、帰宅も遅くなる中で、「この長い通学時間をどう使えばいいのか」と悩んだことは一度や二度ではありません。だからこそ、鈴木さんのビジネスプランは他人事ではなく、自分自身の課題と重なり、深く心に響きました。もし通学が「大変なもの」から「楽しみなもの」に変わったら、救われる人はきっとたくさんいるはずです。彼女のビジネスプランには、そんな未来がはっきりと見えました。

 また、発表全体を通して感じたのは、起業に対する彼女の強い熱意です。どれほど完成度の高いプレゼン資料を作っても、最後に人の心を動かすのは「本気でやりたい」という想いなのだと改めて感じました。その熱意を言葉と態度で伝え切れるのは、鈴木さんの才能であり、これまで積み重ねてきた努力の成果だと思います。これから先、彼女のビジネスがさらに広がり、多くの人の毎日の通学を旅に変えていく。そんな未来を想像すると、今からとても楽しみです。

◉株式会社 たのたびLife 代表  鈴木 沙和香(法政大学 2年)

【優秀賞】

栃木県信用保証協会賞(提供:栃木県信用保証協会)

Discover Wagamama賞(提供/ (株)IRODORI)

Social Good賞(提供/ (同)Social Good Base)

 

◆株式会社もやしラボ 吉田璃華さん

 

    吉田さんは、栃木県がもやしの生産量日本一であるにもかかわらず、その事実や魅力があまり知られていないという点に着目し、もやしの魅力をより多くの人に広げる活動を行っています。身近すぎるがゆえに見過ごされがちな存在に価値を見出す視点が、とても印象的でした。

 彼女は、最終選考に残った学生の中で小学5年生という最年少の参加者でした。高校生や大学生が次々と発表する中でも臆することなく、最終選考会の締めにふさわしい、堂々とした発表を最後に披露してくれました。その姿は、小学生とは思えないほど落ち着いており、同時にキラキラとした笑顔と元気な話し方が会場の空気を明るくしていました。

 発表後に話を聞くと、「緊張はしなかったです」と笑顔で話しており、その一言に思わず「すごいな」という言葉が自然とこぼれました。度胸や表現力だけでなく、何より自分の取り組みに対する自信が感じられました。

 この活動は、もともと学校の課題から始まったそうですが、そこから一歩踏み込み、ビジネスとしての視点を持って発展させてきました。これまでにも、もやし工場の見学を行ったり、さまざまなもやしレシピを考案したりと、すでに多くの行動を重ねています。今後は、ショート動画を活用して、より幅広い層への認知度向上を目指していきたいとのことでした。

 何より印象的だったのは、彼女がもやしについて話しているときの表情です。その目は本当に輝いていて、話を聞いているうちに、自然ともやしをもっと好きになってしまいました。彼女には、人を惹きつけ、もやしの魅力を伝える力があります。来年度も、再び受賞を目指してとちぎアントレに挑戦したいと話してくれた吉田さん。これからどんな成長を見せてくれるのか、とても楽しみです。

◉株式会社 もやしラボ 代表  吉田 璃華(宇都宮市立平石中央小学校 5年)

 【奨励賞】

栃木県信用保証協会賞(提供:栃木県信用保証協会)

パソコン太郎賞(提供/ IT Support パソコン太郎(株))


体験レポート執筆の久野さん、取材に協力していただいた学生のみなさん、ありがとうございました。