次代を担う若者から起業プランを公募する「第6回とちぎアントレプレナー・コンテスト」の表彰式が2019年3月16日、下野新聞社本社で開催されました。最優秀賞は舘野知紘さん(宇都宮女子高校2年)の「株式会社Blanc.C」が受賞、青木圭太実行委員長(青木製作所代表取締役)から開業資金100万円が贈られました。今回は前回に比べ320件増の1052件のエントリ―がありました。アイデア審査、コンセプト審査、そしてプレゼン予選会を通過した12組の高校生で3月2日に最終プレゼン審査を実施。3月16日に受賞者が発表されました。
※第6回受賞者の在籍校と学年は3月16日現在です。
アイデア賞(1次選考通過者)、コンセプト賞(2次選考通過者)、ファイナリスト(最終選考会進出者)の結果 ↓
第6回コンテスト結果
エントリー 1,052点(47校)
★最優秀賞--------- 宇都宮女子高校
★優秀賞------------ 宇都宮商業高校、横浜サイエンスフロンティア高校
★審査員特別賞---- 鹿沼商工高校、那須拓陽高校
★奨励賞------------ 那須高校、矢板東高校、宇都宮短大附属高校、宇都宮海星女子高校、栃木農業高校、佐野日大高校、幸福の科学学園高校
■下野新聞2019年4月5日(金)付 入賞者発表
●賞状 ●副賞(記念楯、賞金3万円)
●新会社開業資金100万円+育成プラン(2019年度)
最優秀賞
コンセプトはジェンダーの垣根を越え、すべての人に自由と調和の装いを届けることです。レディース、メンズの枠にとらわれない商品を展開します。全ての商品がユニセックスのアパレルメーカーはほとんどなく、当社は新しい道を切り開いていけると考えます。女らしい、男らしいという概念は社会によってつくられたもの。それを変えていけるのも社会の一員である私たちです。私はその手段としてファッションを選びました。当社の商品を身につけている人がそれぞれインフルエンサーとして機能し、そして、ゆっくりとしかし確かに人々の装いが変わっていき、社会が丸くなっていく。Blanc.Cの白は社会をより自由で創造的なものに変えていけるはずです。
[同時受賞]
オーディエンス賞(提供/ 足利銀行)
●賞状 ●副賞(現金3万円)
最終選考会での観覧者投票で決まる「オーディエンス賞」!
一般公開の最終選考会では観覧者にも審査していただき、発表が良かったと思う新会社に投票。投票者にはクオカード(5千円分×4名)が当たる抽選会も実施。
FAAVO宇都宮賞(提供/株式会社 モンキークルージャパン)
●賞状 ●副賞(クラウドファンディングFAAVOでの全力サポート券)
●賞状 ●副賞(記念楯、賞金1万円)
優秀賞
ボランティアの学生や孫がお年寄りと楽しめるゲームやレクリエーションを開発し、コミュニケーションの機会を提供する会社を考えました。ゲームで脳を活性化し、お年寄りの笑顔を増やしたい。介護現場で働く外国人が増えた時でも絵を利用したゲームであれば気軽にお年寄りと接することができます。地域の子どもとお年寄りの交流をマッチングして、子どもにはボランティアの学習の場、お年寄りには健康寿命維持の場を提供したい。
[同時受賞]
BC賞(提供/ (株)ブレーン・コーポレーション)
●賞状 ●副賞(奴寿司・華月お食事券2万円分)
優秀賞
当社の理念は「身近な輪っかで毎日を楽しく」。輪を用いた便利商品をつくる会社です。商品は長さが変わるつり革です。輪っかの中に革の部分が収納されていて、革の部分を伸ばすと約17センチ調節が可能になります。電車のつり革は基本的に身長が155センチないと届きにくいのですが、この商品でほとんどの人がつり革に届くことになります。私は不便なものを変え、みんなが使いやすい物が多い世の中にしていきたいと思っています。
●賞状 ●副賞(賞金5,000円)
審査員特別賞
「いちご県」を宣言している栃木県、「いちご市」を宣言している鹿沼市にはいちごに関連する商品がたくさんあっても、いちごの形をした名産がありません。イチゴの型を開発してイチゴ焼きを販売することを考えました。高校が創立110周年の記念行事の一環として製造資金を負担してくれました。市の協力を得て市内のイベントで実際に販売、完売しました。将来「いちご饅頭」を製造販売して市の名産にして市を豊かにしたい。
[同時受賞]
パソコン太郎賞(提供/ パソコン太郎(株))
●賞状 ●副賞(パソコン太郎による1年間のITコンサル(60万円相当))
審査員特別賞
日本で暮らすアジア系外国人向けに水耕栽培と水産養殖を掛け合わせた「アクアポニックス」という循環型有機農業の技術を用いてエスニック野菜、ハーブ、魚介類を生産供給するビジネスです。生産品は箱に詰めて代理店となる首都圏各地のエスニック食材店に送り、そこで小売り販売します。将来、食材店にも出資を呼びかけます。絆を深め、ただの生産者とバイヤーではなく利害を共有するビジネスパートナーとなることを目指します。
[同時受賞]
北星賞(提供/ 北星商事)
●賞状 ●副賞(2019年度からスタートする『地域クラウドファンディング』のスピーカー参加権)
●賞状 ●副賞(クオカード3,000円分)
奨励賞
自然豊かな那須が大好き。那須のペンションに来て癒されて元気になって帰ってほしい、このスタイルが多くの人に伝わればすばらしいと思ったのが起業の動機。お客さんの話を聞き相談に乗っては語り合い、ゲームもできる温かい癒しの場を提供、バーも併設します。蛍観察やステンドグラス作りなど季節に合わせたイベント。オフシーズンは山ごもりプランを用意。人生を見つめ直したい人や環境を変えて何かに集中したい人におすすめです。
[同時受賞]
とちぎスマイル賞(提供/ (株)ピースノート)
●賞状 ●副賞(JTB旅行券2万円分)
奨励賞
国際ボランティアや留学経験を踏まえ、日本と世界をつなぐ架け橋になろうと考えたことが会社設立のきっかけです。コンセプトは「カフェ+駄菓子屋」。昼間は世界中のお菓子を駄菓子屋形式で販売。夜は日本料理やお酒を提供。利益の一部をユニセフなどに寄付します。国際交流協会や観光協会とタイアップし、着物の着付けや折り紙など日本文化を体験できるイベントも開催。互いを認め、互いの人権を尊重しあう社会を目指します。
[同時受賞]
すまスマ賞(提供/ 住まいるネットワーク(株))
●賞状 ●副賞(RADIO BERRYの番組[ とちぎ住まいるスマイル ]への出演権)
リバネス賞(提供/ (株)リバネス)
●賞状 ●副賞(リバネス全社会議で協力者を募れる権利(東京までの旅費・宿泊費も支給))
奨励賞
インフラスポットを巡り自然の脅威や環境問題に向き合うツアーが注目されています。この会社は大型インフラを観光や教育資源として活用することが目的です。ダムを巡りながらの婚活、トンネルの音響を活かした音楽祭、修学旅行の生徒をインフラに呼び込む事業などを企画します。これから使われなくなるインフラが増えてきます。持続可能なインフラとするため観光、教育面で支援しいろいろな人にインフラに関心を持ってもらいたい。
奨励賞
味や安全性に問題はないのに見た目が悪いため口に運ばれることなく捨てられる野菜が多々あります。一人でも多くの人に形の悪い野菜を食べてもらいたいと思い、安全であることを知る機会と購入できる場をつくることを考えました。直接販売で味や安全性に問題ないことを伝え、それが口コミで広がりネット販売での購入者が増える流れをつくっていきたい。生産者が負担なく出荷できるよう直接野菜を採りに行くシステムもつくります。
奨励賞
どうすれば最期まで精神的にも肉体的にも健康に暮らすことができるかを考え、解決策を見つけました。「筋トレ」です。我が社のジムの強みは「発電所×ジムの人力発電所」であること。発電により社会貢献ができ自己肯定感が高まり、身体が丈夫になることで精神ともに最期まで充実することができます。課題は発電用マシンの開発で、目標は世界の5分の1の発電量を担うこと。これで地球も人間もハッピーになれればと思っています。
[同時受賞]
ジョイトーク賞(提供/ (株)ジョイトーク)
●賞状 ●副賞(TDLペアチケットとジョイトークSkype(スカイプ)英会話4万5千円相当のレッスン無料券)
奨励賞
健康寿命を伸ばすために日々の食生活が大切になってきます。栄養豊富な食事を提供するとともに成人単独世帯、社会的に孤立している高齢者などの団らん、コミュニティの場になることを目指します。高校、大学とのコラボメニューの提供、地元飲食店が考案したメニューを試すモニタリングの場、契約野菜を使うなどして地元農家の活性化、買い物代行や障がい者雇用など、食堂を軸に地域の様々な課題に着手し相互扶助を実現したい。
[同時受賞]
栃木イノベーション賞(提供/ (株)下野新聞社)
●賞状 ●副賞(5,000円分の図書カード)
奨励賞
プラスチック公害問題に対する新たな環境づくりという観点から、身近にある篠に着目し「篠ストロー」の商品開発を考えました。マイ箸のように名前を焼き印してマイストローとして愛用することもできます。使ったストローは回収、リサイクルして再利用します。地元の素材を活かし加工、製造、販売を自社で行います。若者から高齢者までの雇用を増やして人口流出に歯止めをかけ、住み続けられるまちづくりを目標に活動していきたい。
プレゼンのテーマの背景になっているのは高齢化、食品ロス、外国人との共生など国や、地方が真剣に取り組んでいる重要な社会問題です。そうした問題を自分の問題としてとらえ起業を通じて解決しようという意欲をひしひしと感じることができました。最優秀賞は男女両性に向けたデザインで商品を販売するという画期的なコンセプト内容で、服飾の分野でジェンダーフリーを実現しようという素晴らしいプレゼンでした。
審査委員長・石崎 公宣 氏(下野新聞社)
自分の夢をかなえる一つの手段として、このコンテストがあります。プレゼンなどを通して高い目線、広い視野で物事をみられるようになったと思います。将来社会人になったときにこれまでの経験を活かせるようにすることが重要です。そのことを胸に進学、就職に向け日々努力していっていただきたい。自分の夢を周りに発信し続けることで夢は必ず叶います。そのワクワクした気持ちを忘れずにいてください。
実行委員長・青木 圭太 氏(青木製作所 代表取締役)
表彰式の後で懇親会を開催。起業を目指す生徒・学生と、起業を応援するたくさんの企業の方々が、名刺交換(学生全員に名刺を支給)を行い、交流を楽しみました。
(第6回とちぎアントレプレナー・コンテスト参加者の懇親会/2019年3月16日、下野新聞社5F大会議室ロビー)