中道さんの課題/勉強を楽しいものにしたい!

第3回とちぎアントレ最終選考プレゼンテーション(2016年2月6日)、中道理仁さん(当時:宇都宮高校1年)

第3回 とちぎアントレプレナー・コンテスト結果

 次代を担う若者に夢を与え、起業を通して自ら考え行動する力を養ってもらうことを目的に「第3回とちぎアントレプレナー・コンテスト」が実施されました。今回応募があった事業プランは前回の3倍以上の637件。このうち最終選考に進んだ10グループによるプレゼンテーション審査が2016年2月6日、宇都宮市陽西町の護国会館で実施、自社の事業プランの魅力を審査員にアピールしました。

 その結果、最優秀賞は中道理仁さん(宇都宮高校1年)の「株式会社 Cyber Academy(サイバー・アカデミー)」が受賞。同月27日、表彰式が同市江野町の下野新聞NEWS CAFEで開催。青木圭太実行委員長(青木製作所代表取締役)から中道さんに開業資金100万円が贈られました。

※第3回入賞者の在籍校と学年は2016年2月27日現在です。

第3回コンテスト結果
エントリー 637点(23高校、1高専、1大学)
★最優秀賞---------  宇都宮高校
★優秀賞------------ 宇都宮大学、宇都宮白楊高校
★審査員特別賞----   小山工業高専、宇都宮白楊高校
★奨励賞------------ 小山工業高専、茂木高校、栃木農業高校、黒磯高校、宇都宮白楊高校
◆コンセプト賞 10グループ(3千円分のクオカード進呈) 
◆アイデア賞 20グループ(5千円分のクオカード進呈)

■下野新聞2016年4月7日(木)付 入賞者発表

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最優秀賞〈1点〉

●賞状 ●副賞(記念楯、賞金10万円)
●新会社開業資金100万円+育成プラン(平成28年度)

 

最優秀賞

教育を楽しく、そして意味のあるものとして伝えていきたい

株式会社 Cyber Academy

代表: 中道 理仁(宇都宮高校1年)

 この会社は学生時代の夢を叶える会社です。私はそれほど勉強が好きではありませんでした。なぜなら勉強する意味が分からなかったからです。この会社は最先端のVR(仮想現実)、AR(拡張現実)技術を使い、勉強をそのまま力に変えてゲームの中であらゆる活躍ができるものです。そのアプリを提供し、「どうしたら勉強が好きになれるか」という全国の学生が抱える悩みを解決します。世界にはちゃんとした教育を受けられていない人が大勢いますが、VR、ARという最先端技術を使えば世界のどこにいても教育が受けられるようになります。それが、この会社を設立しようと思った理由です。
 まずは、国内の学生を対象にした事業を立ち上げ、将来は、このモデルを発展させて世界の人たちに教育を届けられるようなシスムテムをつくりたい。世界は教育を欲しています。私は、その教育を楽しく、そして意味のあるものとして伝えていきたいと思っています。


優秀賞〈2点〉

●賞状 ●副賞(記念楯、賞金3万円)


優秀賞

白楊高校から栃木県を元気にする

株式会社 ポプラマーケット

代表: 橋本 真梨奈(宇都宮白楊高校3年)

 宇都宮白楊高校は農業、工業、商業、家庭など、すべての学科が揃っています。それぞれの学科で学んだ白楊高生の専門性を活かし、地域貢献や学びの実践の場、自らの進路を考える機会を提供していくことを目指した会社です。農産物、食品、服飾など商品の生産から販売、広報宣伝まで生徒が主体で行い、利益の一部は学校施設を充実させる資金に充てます。この会社を設立できた生徒が、あらゆる場面で活躍する産業人となり、会社の理念である「白楊高校から栃木県を元気にする」を実現すると信じています。

 

 

[同時受賞]

 オーディエンス賞(提供/足利銀行) ●賞状 ●副賞(賞金3万円)

最終選考会での観覧者投票で決まる「オーディエンス賞」を新設!

 一般公開の最終選考会では観覧者にも審査していただき、発表が良かったと思う新会社に投票。投票者にはクオカード(5千円分×4名)が当たる抽選会も実施。
 最も得票数の多かったオーディエンス賞には橋本真梨奈さん(宇都宮白楊高校3年)の「株式会社 ポプラマーケット」が受賞。協賛企業を代表して瀧川淳氏(足利銀行営業企画部)から橋本さんに副賞3万円が贈られました。

優秀賞

高品質「完熟大粒イチゴ」を海外にも流通させる

株式会社 SWIEAT

代表: 髙橋 庸平(宇都宮大学大学院2年)

グル−プメンバ−: 阿部 有貴(同D3年)、関 隼人(同1年)

 大粒で甘い「完熟大粒イチゴ」は高級果実として高い価値がありますが、流通時に損傷しやすいため、流通は実現していません。そこでイチゴソムリエを育成し、「完熟大粒イチゴ」の栽培から流通、販売までをトータルでブランディングする会社を立ち上げます。宇都宮大学発ベンチャーが開発した、完熟で高品質を維持したまま輸送できる容器を利用して、海外にも販売していきたい。東京オリンピックまでに収益モデルを確立して生産者を増やし、販売個数を飛躍的に伸ばしていきたい。


審査員特別賞〈2点〉

●賞状 ●副賞(賞金1万円)


審査員特別賞

イントラネットなどを利用し、まちづくりに貢献

SKYINFO 株式会社

代表: フォン・ウェイ・シン(小山工業高専5年)

 イントラネットやWi-Fi、Bluetoothを利用した情報システムを構築する会社を設立し、人と会社を結びつけ、社会をより発展させるきっかけづくりを目指します。例えば、お店や観光施設のコンピューターとWi-FiやBluetooth機能をつなぎ、自社が開発したアプリをダウンロードしたユーザーの携帯端末に、店舗や観光の案内など関連情報が入ってくる仕組みです。東京オリンピックで、弊社の技術を応用した道案内システムを構築することで訪日客が観光しやすい街をつくります。

審査員特別賞

「宮染め」を守ることで栃木の魅力を伝えていく

株式会社 miya flower

代表: 橋本 真梨奈(宇都宮白楊高校3年)

 栃木県の伝統工芸品「宮染め」の知名度を上げ、宮染めの魅力をより多くの人に知ってもらいたい。そのため、浴衣や手ぬぐいの販売や、宮染めをアピールするイベントを行う会社です。訪日する外国人観光客は増加し、日光にも多くの外国人が訪れています。この観光客を栃木県全域に呼び込むため、外国人に人気の着物などを宮染めで作り、栃木県をアピールしていきます。宮染め工場は現在、3軒しか残っていません。宮染めを守ることで栃木の魅力を伝えていくことができると思います。

 

[同時受賞]FAAVO宇都宮賞(提供モンキークルージャパン) 

●賞状 ●副賞(FAAVO宇都宮で起案し、全国に自分の事業をPRできるプレスリリース券(3万円相当)


奨励賞〈5点〉

●賞状 ●副賞(クオカード5千円分)


奨励賞

待機児童と高齢者を結びつける新しい育児所

株式会社 やさしいおばあちゃんの家

代表: 田崎 朱里(小山工業高専3年)

 待機児童問題の解消をメインとし、加えて高齢者の孤立化問題の解決に貢献することを目的にした会社です。待機児童を持つ親と、時間的に余裕があり、子どもの世話で社会貢献をしたいというおじいちゃん、おばあちゃんを結びつけた新しい形の育児所を提供します。学童保育など既存施設とは違い、預けたい時間に預けられるようにします。これにより、保護者も利用しやすくなり、高齢者も新たな生きがいを見つけられます。空き家を利用して育児所を開設すれば空き家対策にもなります。

奨励賞

インターナショナルなクラウドファンディングを開発

株式会社 Table

代表: 田辺 賢一(茂木高校3年)

 様々な言語の翻訳機能や通貨変換の機能が付いたインターナショナルなクラウドファンディングを開発するインターネットサービスの会社です。世界のより大きな市場で、より多くの方々に賛同していただいて資金を調達し、プロジェクトの成功率を高めるためにサポートしていきたい。クラウドファンディングを利用しプロジェクトの実行に挑戦している人たちが、ふだん感じている壁を取り崩すことにより、チャレンジしやすい環境を提供していきたいと考えています。

奨励賞

農村の学童保育で地方の弱みを強みに変える

SKURA art 株式会社

代表: 山中 裕雅(栃木農業高校3年)

グル−プメンバ−: 峯 秋人(同)、毛塚 大地(同)

 経営理念を「地域社会が育ての親」とする学童保育運営会社です。農村部を抱える地方都市がターゲットで、地域の農家や住民にフォスターペアレント(育ての親)として協力を頼みます。子どもたちは地域の農家で農作業を体験したり、お年寄りに伝統料理や地域の文化を学びます。待機児童問題やお年寄りの健康増進、農業の高齢化や耕作放棄地の問題、伝統行事の継承など地方が抱える問題を同時に解決することができます。弱みを強みに変えることができるプロジェクトです。

  

奨励賞

健康果実「ラズベリー」を栃木から全国に発信!!

株式会社 ラブベリー

代表: 早勢 将弥(黒磯高校3年)

グル−プメンバ−: 鈴木 崇希(同)

 健康的な果実「ラズベリー」の国内での生産性を高め、その効能を知ってもらい、ふだんの食事に定着させることを目指す会社です。「ラズベリー」は世界的に健康的な食物として知られていますが、日本ではほとんどが輸入品で、流通している品種も少ない。そこで、国内の耕作放棄地を利用し、様々な種類の「ラズベリー」を体験農園方式で栽培します。ジャムやスイーツなど品種に合った商品も開発し、専門店も開きたい。栃木県をイチゴだけではなく「ラズベリー」でも有名にし、全国に発信していきたい。

 

[同時受賞]栃木イノベーション賞(提供/下野新聞社) 

●賞状 ●副賞(図書カード5千円分)

  

奨励賞

自宅で教室を開くことを支援するウェブサービス

株式会社 Keicoco

代表: 山﨑 聖子(宇都宮白楊高校3年)

 自宅で教室を開きたい人を応援し、お稽古ごとを始めたい人とをつなぐウェブサービスを提供します。生徒募集や受講手続き、月謝の管理などを当社のホームページで行います。自宅で開くことが難しい場合はレンタルスペースを提供します。高齢者でも教室を開きやすくなります。自宅であれば子育て中のお母さんや外で働けない障害者も教室を開けます。在日外国人は自国の料理や言葉を教えられます。環境や年齢に左右されず、自己実現につながる働き方ができるようサポートしていきたい。


■第3回とちぎアントレ審査総評

 今回、応募された事業プランが大幅に増えたのは各高校、大学だけではなく、関係者の皆さんのご理解、ご支援の賜物です。最終選考に残ったプランはいずれも甲乙つけがたい素晴らしい内容でした。
 受賞された皆さんはコンテストを通じて、会社を設立する企画力やプレゼン能力が身に付いたと思います。それは将来への自信となり、実社会に出たとき、この経験が力になって皆さんの役に立てると信じています。

審査委員長・石崎 公宣 氏

下野新聞社 地域貢献推進室


■実行委員長あいさつ

 最終選考に残った皆さんは、誰もが起業家として社長になる資質を持っています。惜しくも最優秀賞を逃した方も胸を張って、自信を持っていただきたい。
 第1回最優秀賞の小堀詩社長は、自分が設立した食品会社を軌道に乗せようと日々努力しています。過去のコンテスト参加者には海外に渡って起業を目指して頑張っている方もいます。
 コンテストを通じて培ってきたアントレプレナー精神を今後、社会に出ても持ち続け、大いにご活躍していただきたい。

 

実行委員長・青木 圭太 氏

青木製作所 代表取締役


懇親会ギャラリー

第3回とちぎアントレプレナー・コンテスト参加者の懇親会(2月27日、下野新聞NEWS CAFEにて)


第2回 とちぎアントレプレナー・コンテスト


第1回 とちぎアントレプレナー・コンテスト